彦根の歴史紹介。今回は『中央商店街』です。中央商店街は、古さと新しさが兼ね備えられた街だと思っていて、少し中に入ると寺院があったり、気づけば新しいお店ができていたりと、とても面白いです。
11月下旬頃には、中央商店街界隈で「えびす講」という屋台やフリーマーケットが繰り出されるイベントもあります。
そんな中央商店街。普段は一体どんな様子なのか、見て回ってきました!
中央商店街(中央町)
歴史
彦根城をつなぐ交通の要所であり、また中仙道への関門(高宮口御門、切り通し口御門、油懸御門)をひかえた街道であった中央町。その昔は「伝馬町」と呼ばれていました。表通りから裏通りへ一歩足を踏み入れると、そこには寺院や民家もあり、城下町の歴史を感じさせる町並みが今もなお残されています。
奥に入ると確かに寺院はたくさんあります。
毎日多くの人が行きかう通り沿いには、お城に出入りする御用商人が軒を並べ、湖北最大の「あきんどの街」として栄えました。昔ながらのこだわりをもった老舗商店街の良さをもっと体感して頂こうと、「上品」「伝統」「本物」をコンセプトにされ、今もそんな昔からの伝統を受け継がれ存在しています。
それでは過去を紐解いたところで、今現在の町の様子見ていきましょう。
町の様子
えびす講の時は、この辺り一帯で屋台やフリーマーケットが行われます。普段は少し閑散としていますが、それもまた良い味が出てます。
これは商店街内にある滋賀中央信用金庫の窓ガラスに大きく貼ってある、彦根御城下惣絵図。彦根御城下惣絵図とは、彦根城内から城下町全体までを含む絵図で、彦根藩普請方により作製されたもの。特徴として、堀や道路、藩施設・居宅・寺院の間口・奥行まで寸法の書き入れが入っています。銀行に飾られているっていうのが粋ですね。
額縁屋さん(上田ガクブチ)やろうそく屋さん(堀口ろうそく店)もありました。昔ながらの感じが良いですね。
こちらも昔からあるであろう、ふとんの藤居さん。お店の看板というかロゴが、なんとも言えず好きです。
さらに歩くと、ひこつ〜内でも紹介したジーンズショップのMOVE CLOTHINGが(記事はこちら)。ひこにゃんがシルエットになっている“彦T”はこちらで販売中です。
近くには、カフェのUCCメルカード。ゲストハウス無我さん(ひこつ〜の記事はこちら)で泊まられたゲストさんは、よくこちらでモーニングを食べに来られるようです。以前無我さん取材時に、そう聞いたのを思い出しました。
それでは、道路を挟んで折り返します。
いつもお世話になっている古本屋さんの半月舎。(ひこつ〜の記事はこちら)半月舎には、彦根の歴史本も多数置いていますよ。ご興味のある方はぜひ。
さらに進みます。
こちらは、近江牛の味噌漬けなどを取り扱う老舗藤井さん。日本三大和牛の一つに数えられ、国内最古のブランド牛と言われている近江牛。中央商店街でも購入することが出来ます。
肉といえば、商店街を少し中に入ったところに名城園という焼肉屋さんもあります。お店自体は狭いですが、知る人ぞ知る隠れた名店となっています。
そして商店街に戻って次に見えてきたのは、セレクトシャップのTOCAKUさん。もともとは河原2丁目にあるカーロアンジェロ(花屋さん)の2階でお店をされていましたが、中央商店街に移転されてきました。良い物が揃ってます。
お次は自転車の販売や修理などを行う、侍サイクルさん。店内が改装されていて、より一層明るい雰囲気が醸し出されていました。自転車のパーツ変更(カスタマイズ)などもここで頼むことができます。
こちらは彦根の老舗和洋菓子店おおすがさんです。商店街の中にこのおしゃれな装い、良いですよね。心ときめきます。お隣にある&Annさん(洋菓子店・書籍・展示室)というお店も、このおおすがさん系列となっています。
こちらは古着屋さんのAmexicaさん。ピンクの店構えが、商店街の中に溶け込んでいます。輸入の古着を扱っていて、見るも鮮やかな店内の様子が外からでも分かります。
最後になりますが、商店街を少し奥に入ったところには山の湯さんという旧銭湯があります。なんとも昔懐かしさが漂っていて、良い味が出ています。銭湯を閉じた後でも、イベントなどを中で行ったりされています。ずっと残っておいてほしいですね。
えびす講(ゑびす講)の様子
半月舎前で行われたゑびす講のフリーマーケット。
彦根市では11月下旬の数日間、中央商店街・銀座商店街・登り街グリーン通り商店街を中心に、それぞれのお店などが趣向を凝らして「ゑびす講」と称して大売出しを行います。歩行者天国として開放された道路では、フリーマーケットや屋台などが繰り出されます。
ゑびす講は100年近い歴史をもつ催しで、各商店街が1年間の商売を感謝して始めたものだそうです。かつては「彦根のゑびす講は日本一」と言われたほどに賑わったそうなんですね。
琵琶湖の対岸からも船を出してお客さんが大勢やってきて、正月用の衣類や調度などを求めて彦根に集まりました。 ゑびす講は、本来、橋向町に今もある恵比寿神社の祭だったのですが、この祭に乗じて商店街が大売出しを行うようになったと考えられています。古くは「恵比寿講」と書き、彦根では「ゑべすこ」と発音されていました。
発見ポイント
道路沿いに並んだオレンジの看板分かりますか?これは中央商店街に入っているお店の看板が掲げられていて、形は統一されているものの、ロゴやデザインはお店によってそれぞれ違うので見ていて面白いです。この記事を思い出した時に、ふと上を見てみてくだされば幸いです。